「病気」を看るのではなく「体全体」を看る医療

先日、統合医療学会の認定資格セミナーに出席してきました。

病気を治療し症状を緩和する方法には「対症療法」と「原因療法」があり、これまで多くの医療機関などが行ってきている医療は、「対症療法」を中心とした近代西洋医学です。

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ですが最近では、人間の心身全体を診る「原因療法」も必要であるという考え方が急速に増えてきています。

それは、西洋医学での限界がきているからではないのでしょうか・・・

 

治療と予防医療の両面から対症療法も原因療法も必要であり、両方を連携させる統合医療の推進が、日本にとっても必要だと考えられてきています。

 

西洋医療は病気を看ます。病気を治すことがすべてと考えられていますが、統合医療は、病気になった個人を看ます。その人の全体を看ながら、患者さん個人個人に合わせた医療を行います。一番に考えられることがQOL(quality of life)です。

 

尊厳ある死(Death with Dignity)」と、患者だけでなく残された遺族も満足できる「良質な最期のとき(QOD:Quality of Dying and Death)」を迎えるための医療が目指す方向性だとあります。

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統合医療は日本が一番出遅れているそうです。ヨーロッパやアメリカでは、専門のドクターもいますが日本にはいません。

日本は西洋医療が主体というか、それ以外は否定される場合もあります。患者さんからすれば、治療する方法はたくさんあるに越したことはありません。なのに、発展しないのには訳があるのでしょうか・・・

 

QOLを特に意識するのが、癌治療の場合だと思います。

西洋医療での癌治療は、手術、放射線、抗がん剤になります。もちろん効果があるものもあると思いますが、進行度によっては、これらの治療がかえって体を弱めてしまったり、苦痛を与えることになります。

 

統合医療は、西洋医療の効果も考えながら、QOLが低下しないかどうかを考えます。抗がん剤をしながら、副作用を軽減するための治療を行ったり、免疫力をあげるための施術を行うのです。

 

抗がん剤は、癌に効果があっても、正常細胞も殺してしまうほど強い薬であることには間違いありません。癌患者さんは、免疫力が低下しているので、抗がん剤治療をすることで、一気に体力をなくしてしまう可能性が高いのです。

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実際に癌患者さんのご相談がありますが、抗がん剤の副作用に耐えられなくて、抗がん剤を止められる方もおられます。苦痛を強いられても、完治するのなら耐えられるかもしれませんが、抗がん剤の副作用で免疫力が低下し、それによって併発する病気により命を落とす場合が多いのだそうです。

 

寿命を全うするまでの間、病院のベッドで過ごすのか、自分でできることを行いながら過ごすのか・・・

 

どうしたいのかを選ぶのは自分です。

患者さんが、ドクターに自分の体のことを丸投げする場合が、日本はあまりにも多いと言われていました。

 

これで効くのか、どれなら効くのか、何なら効果があるのか・・・を問うのでなく、どう効かすのか、どう効果を出すのか、自分はこうしたい!と自分主体でなければ、病気とは闘うことは難しいのかもしれません。

 

病気と向き合うのではなく、患者さん個人と向き合って、治療を一緒に考えて行く統合医療の考え方が、私には非常に腑に落ちた気がしました。

 

 

 

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